既存の枠にとらわれない発想から生まれたトキラックスEVO。私たちは照明以外をよく見ることで、照明の問題に挑戦しています。
多すぎる間接照明
あるお客様に言われました。
「今は間接照明の種類が多くて、どれを選べば良いか迷うんです」
確かに世の中には、LED間接照明が溢れていて比較するのも大変です。言われてみれば、白熱灯時代は種類が少なくて迷わなかった。それならば良いところ取りした間接照明の究極モデルをつくろう。
それがあればお客様が迷わないし、私たち自身も迷いません。そんな想いのもとプロジェクトがスタートしました。
着想得る
新製品開発には市場調査が必要です。
まずは市場の間接照明をたくさん集めて、分解して見てみる。そして、そこからヒントを得たものを組み合わせて新製品に活かします。
でも、私たちはそれをしていません。
今回もこれまでの間接照明にはなかった着眼点を探すため、自由に考えてみました。
オモチャ好きの技術者が着目したのは、プラレールでした。
あだ名はトビー
プラレールは車両同士がつながって出来ているから、真っ直ぐのレールも走れるし、曲がる。間接照明でもそれができないか?
平たい電線をレールに見立てて、連結できるLED車両の下に敷いてつなげて、曲げて、切って…
色々できそうなイメージが膨らんできました。
仮のあだ名は「トビー」。プラレールという事で某機関車から取りました。
作ったら遊ぶ
想像を形にしてみたら、あらゆるシチュエーションを想定し遊んでみます。
灯具を曲げても光が傾くのはダメだ
曲がっても傾かないようにしなくちゃ直線部分と曲げる部分は、同じ高さにしないと光が凸凹するぞ
接点端子は、パンタグラフみたいにして
曲がったり凸凹しても安全運行
そうそう、縦に取り付けられることもある
簡単に取り付けて、でも、簡単には落ちないようにしよう
遊びを通じて、照明器具として設計を洗練していきました。
数年先まで考える
究極モデルを目指したので、現場が完成した数年先も考えました。
トビーはカーブで曲げても車両内部には力が掛からない様になっています。
つまり曲がるのは電線部分だけなのです。そうすることで、デリケートな接点部品や電子部品が守られるようにしています。
また、トビーのLEDは、車両単位で簡単に交換できるようにもなっています。つまり数年後、万が一LED不点が起きても、交換ですぐに復旧できるのです。
実はこうした工夫を随所に盛り込んでいます。
照明の答えは、照明以外
あらゆるシチュエーションを想定しながら完成させたトビー。
現時点で私たちの考える究極の間接照明です。正式名称は2009年発売のトキラックスの進化(evolution)版、「トキラックスEVO」と名付けることにしました。
そういえばオフィスに来られた方によく言われるセリフがあります。
「トキさんに来ると、仕事と全然関係ないものが、机にたくさん置いてあって楽しいです」
照明の答えは、照明以外にある。
そう思って、私たちは開発のヒントを探し続けています。