今の時代にこそできる照明
白熱ランプには、不思議な魅力があります。フィラメントが映し出す灯りは、シーンによって魅せ方を変え、その空間を彩る“なくてはならない存在”になる──。19世紀に誕生し、200年以上が経った今も、人の心に残る灯りです。
トキスターは、白熱ランプの灯りが持つ魅力を大切に、様々な製品・サービスを開発してきました。
一方で、現代の照明はLEDが主流となっています。寿命、消費電力、効率、耐衝撃性といった数多くのメリット。地球温暖化防止、脱炭素社会に向けた省エネの潮流。LEDが求められるのは、必然的な時代の流れと言えるでしょう。
私たちも、業界内でいち早くLED照明器具の販売に着手しました。白熱ランプの取扱いも続けていますが、その理由はモノ自体を残すためではありません。いつの時代もただ純粋に、心に残る灯りを追い求めているからです。
目指しているのは、“承継”。
白熱ランプもLEDもあくまで手段にすぎません。たとえば、白熱ランプのような魅力を持ったLED照明も開発しています。白熱ランプの灯りをただ再現するのではなく、照明のプロとして私たちが今の時代に提示したい照明を創るためです。
人々の心を動かす灯りを追及し続ける。照明メーカーとしての使命感とプライドが、私たちの商品開発の原動力となっています。
追及の先に行き着いた「VIランプ」
私たちが形にした“承継”の一つが、ボール型装飾照明「イグゼビタ」です。かつては白熱ランプだけを使用していましたが、2008年にLEDタイプの「イグゼビタLED」の販売を開始しました。
光源の主役がLEDに移り変わりつつあった当時、「イグゼビタ」の承継を目指して生まれたのが「イグゼビタLED」でした。
製品として世に出てからも技術者は歩みを止めません。
もっと白熱ランプに近づけたい。強い思いが技術者を動かし続けます。
白熱ランプの光源であるフィラメントに近づけるうえで鍵を握るのは、まっすぐなLEDの光をどう操るか。
数々の試作を経て、技術者がたどり着いたのは、レンズを「涙滴型」にして光をコントロールする方法です。
発光部を原点とした涙のしずくのような形にすることで、LED光源から放たれた光はレンズの中で反射しながら、漏れることなく頂点に集まります。
頂点に達した光は解き放たれ、目に見える形となって現れます。その灯りは、眩しすぎることもない、白熱ランプのフィラメントのような心地良い灯りです。
これが、独自の「バーチャルフィラメント技術」によって、仮想的に(Virtual)白熱ランプ(Incandescent lump)のような光源を作り出す「VIランプ」です。
業界初の技術を搭載した「イグゼビタVI」が誕生しました。
承継から生まれる新たな光
私たちの追求に終わりはありません。
太古の時代、人は照明の役割を「火」に求めました。自然に揺らぎ、瞬間ごとに形を変える様に、人は明るさと温もりを得るだけでなく、心をも動かされました。火に代わって登場した「白熱ランプ」の灯りにも人は同じような感覚を覚えました。明るく照らすだけでなく、心を動かすのも照明が担う役割なのです。
LEDが主流の今この時代にこそできる照明がある、と私たちは信じています。「イグゼビタVI」は一つの答えです。時には白熱ランプのような良さを持ったLED照明を、時にはLEDでこそできる照明を。
大切にしたいのは、人々の心を動かす灯りを承継していくことです。
承継には進化も伴います。「イグゼビタVI」で拓けた新たな可能性から、私たちはすでに先を見据えています。
次の灯りが生まれる日も、そう遠くはありません。